あてこ9

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初めて
もう二度と会えないと言うことが分かったのは

私のことを
私より大切に思ってくれていた祖母との別れ

この世に誰も味方がいなくなった気がした

そのうち
同級生がなくなったと聞いた

学生の時以来あうこともなかった
優しい笑顔の人

私から、友だち。というのはおこがましい位の
みんなの友だち。

あなたは、優しいから。
と、
誰にも言われたことがないことを
言ってくれた人。

自分が好きになれなくて
追い詰められた気持ちになった時
彼女のあの時の柔らかい笑顔を
すがるように思い出していた
同級生

私の若い日々が、
若かった日になった

それから

母が、しんだ。

入院が長く長く続いたから
このままずっとずっと
病院にいけば会える気すらしてきた頃

少しずつ返ってくる言葉は減り
微かにうなづいたり、
目に浮かぶ涙が返事になっても
それでよかったのに

もう二度と会えない日がくる。と
私がその覚悟をするために
少しずつ少しずつ、しんだ。


毎日母の元に通い続けた
母が誰より愛した父が
石に刻んだ言葉は


倶会一処くえいっしょ

仏や菩薩の座る蓮の台座。
そこに、往生したみんなが集まっている。また、会える。
と言う言葉。

長い母と二人だけの時間の中で
父が、選んだ言葉。

わたしも、腑に落ちた。
何も話さない父の気持ちが
分かった気がした。


さようなら。ありがとう。を
百万回叫んでも

伝え足りなかった事ばかり
思い浮かんで、苦しかった。

今は、

寂しくなりかかった時、
私は、呟く。

「蓮のうてな(台)で会いましょう」

いつか
ただ1人で私がいく先には
待っててくれる人たちがいるなら、
もう少し我慢できる。
笑顔でいく。


きっと。また。会える。



#また会いましょう#2022.11.14

11/14/2022, 1:29:24 PM