yamamoto

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#溢れる気持ち

本はたくさん読んだ。朝から晩まで、椅子の薄い座面にへばりついていた。というか、図書館しか居場所がなかった。
ただ机に突っ伏していても、たぶん誰も咎めなかっただろう。だけど、自分の外にも内にもガラスで蓋をしたあたしは、なにもしないこと、すらできなくて、仕方なしに辞書を読んだ。万が一、その孤独の理由はね、と歩み寄るようなジュブナイルとか、死んでも手に取りたくなくて。

だから語彙だけは増えた。

でも、ウロに積み上げたことばたちが、なにか語りかけてくることはない。やまびこがかえるように、ぐるぐると回り回って、最後は力尽きておちていく。

こんなに詰め込んでも。こんなに投げかけても。
言葉がでた途端に嘘になる。腐りだす。
溢れる気持ちは本当のはずなのに。わたしの中になにひとつ真実などない。

2/6/2023, 9:55:11 AM