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人の視線というものは様々な色や意味を持ちます。見つめられて、怖くなる者や、嬉しくなる者がいるように。それはきっと、見つめてくる相手によって変わるのでしょう。例えば、試験監督に見つめられれば怖いし、好きな人に見つめられれば嬉しかったり恥ずかしかったり。
そんな中でも私がいちばん怖いのは、鏡越しに見つめてくる私自身です。時々、本当に目が離せなくなる時があります。この見つめてくる私は、他人なんじゃないかと。そんなことは無いと頭では理解しているのですが、やはりどうにも気味が悪くて仕方ありません。まるで、底なし沼のようで。自分とは何かと考え始めると頭が宇宙になるあの感覚と同じです。…ちょっと分かりにくかったでしょうか。まぁ何はともあれ、結局人は自分だけという訳です。人生の中で、確かに人と関わり沢山の経験や感情、思い出を得ることでしょう。されど、それらを全て合わせられたのが自分なのです。現実では、ソレはヒトとして体を保っています。しかし、鏡という空間では果たしてどうでしょうか。一見、ただの自分でしょうが、その瞳の奥に、今まで関わってきた人の目が、こちらを見つめ返している気がしませんか…?私は、ソレがどうしようにもなく怖いのです。鏡に映る私の瞳の中の、無数の記憶達が、こちらを見つめているようで。

#見つめられると

3/28/2023, 2:02:59 PM