Una

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もう君の気持ちはわかっていた。

こんな真夜中に偶然地元に居るからドライブに行かない?なんて言われて

行かない理由も見つからない。

「行く…かな。」

「じゃあ家の近くに行ったらメール入れるね」
高校を卒業したばかりだった。
実家に戻っていた私は、親に嘘をついても会いたかった。「カナが悩んでて話聞いて欲しいって」
と一番の親友名前を出した。
はやく帰ってきなさい。こんな夜中に。とグチグチ言ってる母親。
偶然来たメール。明日の午前中には飛行機に乗って帰らなきゃ。チャンスなのか…
ドキドキしながら準備をする。


田舎の道路に車の光が見えた。
あれだ!胸の鼓動が聞こえるほど緊張していた。

急いでたので化粧もする時間無かった。どうしよ、恥ずかしい。そんな考えてる間に彼の車が私の横に来た。

「待たせてごめん。乗って。」
「待ってないよ、化粧するぐらい時間欲しかった…」
「拗ねてるの?」
「拗ねてない!」


暗いところに連れていかれる。何か変な感じ…怖い。
「ねぇ、あんまり暗いところ行かないで、怖いじゃん」
「じゃあ外出よっか、星みようよ」

彼は星を二人で見たかったらしい。何を怖がっていたんだ私。ちょっと恥ずかしくなる。

「ねぇ」「ん?」告白のチャンスを狙っている私。
あー言えない!!
「これから何を言ってもこの車で家まで帰してくれる?」
「当たり前じゃん」と笑う。


「あーー!」
「あーーー!」

二人で同じ暗い星空を見て、同じ流れ星をみていた。

「今の見た?」「え?見たの?」「やっぱり同じの見てたね!すごい!」
今なら私の気持ちを伝えられる。ぎゅっと目をつむって、神様お願いしますと心の中で呟いた。

「好きです、付き合ってください」
胸が高鳴り、車の灯りで少し笑ってるように見える。

帰りは彼の片手は私の手を握ってくれていた。

3/19/2024, 10:35:47 AM