NoName

Open App

 赤や黄色に色づいていた木々も茶色く染まり、落ち葉が靴裏に楽しい季節。
 木枯らし吹きすさぶ中を僕は歩いていた。
 背が丸まりがちになるのは薄いジャンパーの中に木枯らしが入り込むから。首元にマフラーを巻いても、両手に手袋を嵌めても、服の隙間という隙間から風が吹き込んでくるのは勘弁してほしい。
 まだ日差しは温かいのが救いといえば救いか。
 のどかな晩秋の夕暮れ時。
(あー肉まん食いてー)
 足早に抜けた公園の先には何時ものコンビニがある。脚が吸い込まれるように店内に向かったのは言うまでもない。
 熱いコーヒーと肉まん。
 これからの季節の必需品だ。

1/17/2023, 11:03:20 AM