コップの水の絵
物質世界の窓を開け
地球全ての真っ黒なキャンバスに
ホワイトの絵の具で
塗り替えようとしていた私
誰かを笑顔にしたかった
誰かの涙を拭いてあげたかった
例えそれがエゴだとしても
誰かを救ってあげたかった
ネガティブがネガティブを呼び
いつしか私は傷ついていた
救った筈の誰かの笑顔は傲慢となり
何処かで誰かが傷ついていても
私が助けてと求めていても
見て見ぬふりをし
笑って去っていった
ボロボロになっても
それでも傷ついた人を助けたくて
せめて祈りだけは光に変換できると
この世界のプログラムを書き換えた
でも大切な人が苦しんだ時
もう私には何もできないと諦めた
何も望まないと感じた
すると天の声が聞こえ
君はけして間違ってなんかいないよ
世界に愛より勝るものはないのだから、と
優しく家へ誘導してくれた
誰かの心の内は誰にも分からない
泣きたい時だってあるんだよ、と
涙はカタルシス
苦しみの先は、強い光、と
教えてくれた
全ての人を笑顔にしたくて
豊かさだけに視点を合わせたから
自然は失われ、小さな命も傷ついてきた
その世界は元々完璧で
愛しかないんだよ、と教えてくれた
いつも心のキャンバスには
はじめから光がある
きっとそれに気が付かなかっただけ
暗黒のネガティブな粒子は
とことん闇に堕ち先の光へ向かうのか
それとも風と涙と緩やかに光へ向かうのかだけ
この世界には愛しかない
8/10/2025, 5:11:10 AM