ののみ

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 キラキラしたイチゴの乗ったショートケーキ
 だった


 『あるぺん』にはお小遣いが残ってる時は
 殆ど毎日通った
 マスターの隣には、2つ上の先輩が
 いつもティーカップセットを
 手際よく洗っていた
 私はまだコーヒーが飲めなかったので
 いつもホットココアを一杯だけ


 ゴメンね
 と言って先輩が手渡ししてくれたのは
 ショートケーキ

 目の前に置いたのではなく
 どうぞと置いたのではなく
 にこやかに置いたのではなく

 その時に心の中に
 無数の想いが激しく流れ込んで来た

 『ゴメンね 君の気持ちには
 応えられないんだよ』

 そう言う事なんだね


 初めて貰った大切なプレゼント
 キラキラしたイチゴが印象的な
 悲しい
 嬉しい
 寂しい
 思い出

 やさしいやわらかな光の中に消えていく


 ーーーやわらかな光ーーー

10/16/2023, 12:09:38 PM