レブ

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弟が死んだ。
弟が殺された。
俺も殺された。
また、弟が死んだ。
俺たちは生き返ったり死んだりを繰り返している。
昨日までは弟と笑いあいながら眠れたのに今日は眠れない、終われない。
ずっとずっと今日のまま。
あいつが現れてからだった。あいつが突然弟の前に現れて弟を殺した。
そしてその後俺も殺される。
何をしても弟が先に殺される。
俺だけが生き残って震えながら夜を過ごしたこともある。
でも日付が変わる直前にプツリと意識がなくなり気がついたら今日だ。
弟は何も覚えていないらしい。
いつもちょっと怒った顔で朝だぞっと喋りかけてくる。
俺はその顔を見る度にホッとする。
弟が今日起こることを覚えていなければいいんだ。
それだけで俺は今日も生きていける。
明日まで生きる方法をさがせれる。
「兄ちゃんどうかした?ずっと真顔だけど。」
「ちょっと考え事してただけさ。」
弟に心配されてしまった。今日もいつも通りの兄を演じなければ、弟は変な所で鋭くなるからな。

今日を繰り返してから100日ほどになった頃、俺はなんとか生き延びて弟の死の元凶である男へついて行きなにかヒントが得られないか聞き耳をたてた。
「アハハっ今回もなかなか楽しかったなー。おにーさんのほういっつも違うセリフ言ってるから飽きないなー。」
"今回も"ということはあいつも覚えている、ということか?
「ほんとどういう仕組みなの?このゲーム。まっ、楽しませてもらってるけど。」

プツン

「朝だぞっ」
弟がいつものようにプンプンしている。
繰り返す時間、同じセリフ……そうか、ここはゲームの世界、だったのか。

コンコン

ノックする音が聞こえる。
最近はノックもせずにズカズカ入り込んできたのに今回は違うんだな。
初心に戻ってプレイするってか?ふざけんな。
「はーい。」
弟がソファーから立ち上がってドアへと駆け寄ろうとした。
「俺が出るよ、座ってな。」
「……その格好で?」
まぁ、今の俺パジャマだしな。
「大丈夫大丈夫知り合いだと思うから。」
「ふーんそれならまぁいい、のかな?」
よっこいせと立ち上がりドアノブに手をかけた。

ガチャリ

「やぁ………は?」
あいつも口からごぽりと血がでてきた。
そりゃ俺がナイフで刺したからな。
ドサリとプレイヤーは倒れた。
「ん?なんで僕がさされるの?」
「ちょ、兄ちゃん!?なにしてんだよっ!!!」
異変に気づいた弟が近づいてきてナイフを取り上げられてしまった。
「ごめんな、これはお前のためなんだよ。」
「何おかしなこと言ってんだ!これが僕のためならこんなこと間違ってる!!早く救急車呼んで!!」
「……たとえ間違っていたとしても俺はこいつを殺し続ける。」
このゲームに飽きてくれるように。

プツン


4/22/2024, 2:14:47 PM