NoName

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噂話が好きなお姉様方に囲まれると、段々と自分自身も濁ってくるような気がする。
人の人生を面白おかしく揶揄できるような権利を、果たしてこの人たちは持ち合わせているのだろうか。
そんなことを思いながら笑って話を合わせる自分だって、結局そのような権利は持っていないのだが。

ふと、件の同僚と会話をする機会があった。
知的で、周りへの気遣いを忘れない人。
陰でコソコソと歪んだ笑みを浮かべている先輩方よりも、よっぽど人間ができていると思う。
話の隙間にそっと相手の目を見やると、澄んだ瞳がそこにあった。
臆病で卑怯な自分を見透かしているような、けれどもそんな自分すら受け入れてくれるような瞳。

あぁ、わたしもあなたのような人間になりたかったな。
そう思いながら、今日も同じように顔を歪ませる。

7/30/2023, 10:53:34 AM