吉川モモヨ

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はじまりは ひと晩だけ




声が聞きたい って連絡は

ひどく嬉しくて、




今週まで

来月になるまで




そうやって

今日も




お互いの傷 舐め合って

まあるい言葉だけの会話








名前を呼んで

時の中に堕ちて




ひとりになれば

心は 空っぽになって、






無かったように過ぎる、さっきまでのこと。


頭で繰り返される、なでるような声。


錯覚が、宙に浮いている。








無意味なことだと感づいても

まだ 君といる

次の季節





----- 秋

9/26/2024, 1:08:10 PM