Open App

平穏な日常

雨が降る
絶え間なく降り注ぐ
水たまりをつくっていく
物干し竿にはしずく溜まる
地に雨は走る様に降り注ぐ
時刻は13時。お昼時をちょいと過ぎたあたりだ
朝の食パンがまだ残っている
アイボリーのような空色
ベランダの角はカビが生えている
ベランダの水たまりに反射している
特に何もない日々だ
カラカラと空回りしている日々だけれど
それもいつものことである。
僕は雨になると遠くへ行きたくなる
雨に降られ雨に濡れ歩く僕は名前もない浮浪者だ
浮浪者という名前が既にあるだろうという指摘は見ないフリさせてもらう
空は暗く僕も暗い
それで良かったのだ。晴れだと空の明るさと僕の暗さに違和感を覚える
トントントントンと何処かで雨が落ちる音がする
雨に濡れてしまえば頬の水滴も誤魔化せる
雨に濡れただけだと
雨は地を濡らす涙は頬を濡らす
僕は雨に濡れるのが好きだった
雨に濡れながら帰ったりしていた
誰もいない道を一人で歩くのはいい孤独感の味わい方だ
雨は物に打ちつけ音を鳴らす
地を濡らし土を湿らせ鳥は低く飛ぶ
窓に映った薄い自分を見て透明人間だと錯覚する
ベランダに溜まった水滴も地に落ちていく
一人だと感じれるから好きだった
無駄な付き合いがあるのは決まって晴れだ
遊ぼうだとか外に出るだとか。
まぁ今はそれら全て経験する事は無くなったのだが
室内に行けば雨晴れ関係ないのだがそれでも晴れは嫌いだった
僕を腫れ物扱いするからだ
明るい空に暗い僕は浮きすぎている
外に出れば僕を腫れ物扱いする人物ばかりだ
雨はそんな人たちから遮断してくれる
建物や物に打ちつける雨音の機械音っぽさも好きだ
ガラクタとタンパク質しかないこの世を雨は濡らす
この世が機械仕掛けなら雨の時は世界諸共故障だ
カクカクとネジ歯車仕掛けで動く世界ならば
人々もカクカクと人造的に動くのだ
人を傷つけることもなくそして愛すこともない
全てに無知であり無否定という名の鞭を振う
人工知能のような人ばかりになるのであろう
そんな世界はカタカナが主流だろう。

ソンナ、アメハ、ボクノココロヲウルオシテクレル
チヲヌラシ、ボクノホオモヌラス。
ソンナアメガダイスキ、ダ。

3/12/2024, 4:51:58 AM