ちゃいらて

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①病室

思い出は窓

母は見えなくなるまで手を振ってくれたが、泣きながら見送った切ない思い出。

4歳の時、肺炎で1ヶ月入院をした。

咳は出ていたが、気持ちは元気で、点滴をされる以外は普通に過ごせる自分には、入院は退屈で寂しいものだった。

母は毎日、面会時間ギリギリまで一緒にいてくれたが、それが尚更寂しさを増した。

絵本を読んでくれたり、りんごやヤクルトをこっそり差し入れしてくれた。

母が帰る時は毎日泣いた
『もう帰るの?』
『いつお家に帰れるの?』

切ない記憶は優しい母の記憶に上書きされ、幼い頃から将来は医師か看護師になろうと決めていた。

今、私は病室の窓に子供を連れて行き、面会時間に訪れる入院中の子供の両親を看護師として迎えている

お父さん、お母さん、ありがとう
待ってたよ

8/2/2024, 12:54:21 PM