忘れた物

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ブランコ

「人間は群れて弱い者をいじめる」ブランコを漕ぎながら僕は呟く。だがその声は錆びれた鉄の音で誰にも聞かれてはいない。僕はそう思っていた。
だがその声はある一人の女子に聞かれていた。
「何それ、アニメのセリフ?」僕は彼女を無視し、下を向く。
僕は彼女が新倉奈々が嫌いだ誰にでも優しく、誰からも好かれている。八方美人という言葉は、彼女の事を表しているような群れに媚びているそんな嫌な女なのだから。
「じゃあ、連君は疑心暗鬼だね。いや、天邪鬼か?」僕は思わず目を見開き新倉のいる方向を向いた。彼女は真っ直ぐ見つめていた。視線の先には人間の群れがいた。
ギィ…ギィ…僕のブランコから音がする。彼女からは音がしない。漕いでいないというよりも漕がないことが当たり前のようにまるで漕いでいる僕がおかしいかのように彼女はただそこに座っていた。
そんな彼女を新倉奈々という人間を目から離せなくなっていた
「私ね、心を読む力があるの」理解が出来なかった…いやそれは違う意味も分かる、言葉も分かる、じゃあ何故僕は理解ができなかったかのかそれは、
何故それを僕に話すのかそれが理解できなかった。
「理解できない?理由は簡単だよ、連くんは誰にもこの事を話さない、いやそうじゃないね話しても誰もその話を信じ無いのほうが正しいかな」
「じゃあ何で僕に話すの」
「君が群れから外れているから情をかけただけ私ってほら、八方美人だから」
「…」八方美人と言った事を根に持っていたらしいそして、俺は新倉奈々に悪口を言われた
「嬉しかったから悪口言ちゃった」
「嬉しい?」
「八方美人してると悪口は言えないから関係が悪くなっちゃうからね」
群れの中心に居るやつの苦労話を聞かされても…
「人が群れを作る理由知ってる?」
「?」
「人が群れを作る理由はね同じ敵を攻撃するときに群れを作るんだよ」
「…何が言いたいんだ」
「私は本当の仲間なんていない。それと、これから仲良くしよって事」
ギ…ギ…いつの間にか僕のブランコは勢いを失い彼女と同じスピードで僕はそこに群れを成していた

2/1/2024, 3:18:10 PM