時雨

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君の葬儀が終わった後。
重くて血塗られたみたいな心が沈む。
世界がいつもより青くて暗かった。
鉛を付けたような脚を運び、喧騒を歩く。
するとふと一つの声が鼓膜を揺らす。
「元気で。」
聞き慣れた声。
好きな声。
愛しい声。
ねぇ。
君の。
声が聞こえる。

9/22/2024, 10:20:55 AM