一方的な痛みだと、それを理解して尚更、わたしを離すことを諦めなかったきみのただ一心に愛しかったきみの、硬い制服が重なった身体を、粉っぽい雪が深く抱きとめたいつにもまして背がちいさい、臓器をくるんでいる皮膚は紙ふうせんみたいに柔らかく頼りなかったずっと長いこと、乾いたプールサイドに腰掛けていたきみの影を踏みあいっこしていたあの、水くさい匂いと、蝉の急かす音だけ切り抜けばいい夏だったのだ、たぶん
2/15/2023, 2:45:52 PM