横たわる僕がいる。
朝も夜も、仕事以外は、たいてい横たわる僕がいる。
休んでいるわけでも、何かをしているわけでもない。
ただぼんやりと動画を眺めて、
なんとなくその日の終わりを待っているだけだ。
「思い出なんて消えてしまえ」
そんな言葉を耳にした。
「僕を引き止める思い出なんていらないよ。」
そう叫ぶ。
僕には僕を引き止める思い出なんてなかった。
思い出の中の僕は必死に僕に訴えかけている。
そんな訴えも、広告のスキップボタンを押してしまえば、動画にかき消される。
僕はもっと僕に耳を傾けなければいけないと思う。
引き止められないまま進んで行った先は寝たきりの僕だ。ひとりぼっちと、ひとりぼっち。
3/21/2024, 3:51:59 PM