書上 創

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「なんでもない」

君がよく口にする言葉。
本当は、何かある癖に君は嘘をつく。
今だってそうだ、その体がかすかに震えている。

「…君は嘘つきにはなれないな」

俯いた君は、拳をぎゅっと握る。
それ以上、かける言葉は見つけられなかった。

僕に、告白をしようとしていた君。
でも、僕はさっき、そんな君の前で別の子から告白された。
君は、告白のタイミングを失って、なんでもないと誤魔化す。

別の子からの告白は、断った。
けど、君はそこまで見てなかった。
ごめんを言う事もできず、君は走り去っていった。

3/31/2024, 2:15:44 AM