恋右府

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 貴方と一緒に歩いたあの道、覚えてる?
 貴方と歩いたあの道はね、私がよく歩いている道なの。だからあの道を歩くたびに貴方を思い出して、頬を赤く染めていた。貴方がいた頃は…。
 でも今は違う。あの道は私の瞳を赤く染め、涙でいっぱいにさせる。あんなに楽しかった思い出の道が、貴方はもういないと言う残酷な現実を突きつける。
 その現実から逃れるために私、一度あの道を歩くのをやめたの。長年通った愛着のある道だったけど、貴方が隣にいないなんて現実を信じれない、信じたくないから。いつの間にか、楽しい道が悲しい道に変わっていた。あの道が私の孤独な心を苦しめていた。
 でもやっぱり、あの道をまた通ることにするよ。貴方との思い出が詰まった道だもの。そう簡単に忘れたくはないよ。現実を知る事は辛いけど、それから逃げてると貴方からも逃げているように思えてきたの。そんなのは絶対に嫌。だから、ちゃんと現実を受け止めて貴方との思い出と共に新たな一歩を踏み出す事にした。悲しみをぎゅっと胸に仕舞い込んで…。
 きっと明日も、私はあの道を一人で歩くだろう。貴方が隣にいない現実を突きつけて来る悲しみの道を…。
 あの道が、貴方の心へと繋がっていることを信じて。
#きっと明日も

9/30/2022, 2:56:02 PM