七紫

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0からの恋人たち。


彼女
  > が記憶喪失になった。
彼氏

「初めまして」って言われた。

心は苦しかった。

でも、振り絞って喉から出した。

『初めまして』

今にもなにか口から出ちゃいそうで、
苦しくて、気持ち悪くて、。

ちょっと出た。



次の日、他愛のない会話をした。

君は少し笑ってた。

心から喜んだ。また見れたって。

でもそれは、少し寂しそうな目だった。

『なにかあったの?』

「なんにでもないよ。」

「ただね…何かを忘れてる気がしてならない。」

そんな気がしてくれていることだけでも嬉しくて、抱きしめてしまいそうになった。

さすがに抑えた。引かれるから。

          僕たち
まだまだ初対面の <   だから、
          私たち
さすがに簡単に手出しはできない。

「どうしたの?」

『なんでも、ないよ、』

「ほんとうに?」

君は多分、ここに居る。
だけど、前から知ってる君じゃない。

〝それ〟に、何故か嫌悪感を覚えて。
少し突き放した。



突き放して数日。

病室には行っていない。

自分の中でも、どこか寂しいものがある。

だけど、あそこに行ったところで、
解決してくれる人なんてどこにも居ない。

解決してくれそうな人は、
自分の知らない君でだけで。

自分が知ってる君と、
自分を知らない君を、
比べちゃうんだ。

そんな自分を、心の底から殺したい。





あれからまた少しして。

自分の心のどこかで決心が着いたのか、
または、どこかで吹っ切れたのか。

自分の口から出ていたのは、

『俺
 僕
 私   と付き合ってくれませんか?
 うち
 あたし              』



彼女
  > はにっこり笑って、
彼氏

           「はい、喜んで。」



145テーマ【0からの】

なんか悲しい系。
話のストーリー的に色々使えそうだから、色々使ってください。七紫 表記でどうぞ。
pixivさんの方に上げてるのは自分です。
では。

2/21/2024, 10:33:18 AM