六花

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 「ねえ、玲斗君ってば! お話してるんだから目を合わせてよ」

 喫茶店に私の大きな声が響き渡る。
 いつも玲斗君とは目が合わない。

 もしかして……私のこと嫌いなのかな……

 「なんで目を合わせてくれないのよ」

 玲斗君は、顔を赤くしながらもやっと私の目を見た。

 「目が合わせれないのは……琴美が可愛すぎるからなんだ! 目を合わせたら顔が赤くなるんだっ!」

 え……? 嫌いになったんじゃなかったの……?

 つい目が点になってしまう。
 私の方も顔が赤く、りんごのようになってしまう。

 「な、なんだ。そういうことか〜」

 お会計をしようと立ち上がったおばあちゃんが私たちに声をかける。

 「あらあら、二人してお顔が赤くなってるわ。かわいいカップルさんね」
 
 にこやかに微笑み、去っていく。

 それにより、私たちはより赤面になるのだった。


■■■


 彼女たちはまだ知らない。
 半年後、結婚をすることを……

 めでたし、めでたし。

5/5/2025, 6:59:30 AM