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「もっと前行けー!」
「パス出せパス!」
「ちゃんとボール追え!」


窓の外から聞こえる青春の声。

そこで走り続けている、私の恋人。


先生から特別に許可をいただいてグラウンドの見える病室へと移して貰ってから、早くも半年が経とうとしている。
日に日に腕に繋がる針の数は増えていく。


『シュート打て!』

その優しくも厳しい声は遠のいて、華やかな景色もぼやけていく。



ああ、私の愛しい人。

どうか私の分まで走り続けてくれますように――。

8/2/2024, 12:07:16 PM