優越感と劣等感のシーソーゲーム
6は9に対してゲームをしかけた。
9は笑って板からおりた。
6もつられて板からおりた。
9は6を抱き締めた。
6はゲームを仕掛けた瞬間、9から欲しかったものは本当はこれだと気がついた。
9を本当は見ていたかったから、あるいは見なきゃいけないとわかっていたから、板にのってとゲームをしかけた。
それ以上に欲しかったのは、無言で6をゆるす9。無言で6を鼓舞する9。切り離さずに愛し合える、そんな安心なせかいがほしかったもの。
いつまでもきみはきいてくれた。
さきに仕掛けたのはこちらなのに。
いつまでもきみは本当のことを
はなせるまでずっとまってくれた。
はなしおわるころ6は9と
かつての6は似ていたと
思い出したら突然に
一番柔らかい気持ちが泣き出して
シーソーゲームの仕掛けぬしの
かわいい心がでてきて泣いた
その心はやさしくなでられて
最後はきらきらわらってきえた
7/13/2024, 10:57:04 AM