mou

Open App

「どうせみんないつかはさよならするんだよ。」
そこまで言ってハッとした。この俯瞰しすぎたような発言のせいで私は2度も彼氏を失ったのだ。でも、言いたくて言っているわけではない。未来が急に怖くなるときがある。未来どころか明日でさえ怖くなるときがある。押しつぶされそうになったとき不安が口をついて出てしまう。私は恐る恐る彼の顔を見る。意外にも、彼は怪訝そうな顔をしただけだった。そして言った。
『うーん、じゃあさよならしたらまたすぐ会いに行くわ。』
予期せぬ言葉に私は戸惑った。同時に少し考え込んだ。さよならってもう会えなくなるってことだと思ってた。そうじゃなかったのか。君にとっては普通のことなのかもしれないけど、私の弱さをかき消すには十分だった。私もう、さよならなんて言わなくて済みそう。

12/3/2024, 11:08:17 AM