子供のころ、私はとにかく何かを恐れていた。高いところが怖い、暗がりが怖い、虫が怖い。今となっては、それらはどれも私に恐怖を抱かせるに至らない。私は強くなったのだろうか?怖がりの子供から、大人へ。でも今は、あのころの感覚が、刺激的に思えて、恐怖の裏には、未知に対する好奇の心があったはずで。かつて羨望した、揺るぎなく、頼もしい大人の姿は、それを、おそらくは体現できている今の自分にとって、どこか空虚を感じさせるものと成り果てていた。
3/17/2023, 8:16:38 AM