柵が作品P

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第1話
【遠い日の記憶】

もし あの頃に戻れたら
    どんなに良かっただろう――

キーンコーンカーンコーン( ˙-˙ )/キーンコーンピー
「蓮ー!おーそーいー!」
「なんだよー美玖。別にカンケーないだろ…って、
まさか、また一緒に帰るつもりかー?」
「おぉ~、やりますね~!」
「マジかよ」
僕は 幼なじみの美玖が好きだ。
でも、こーゆー楽しい関係を壊したくない。
だから、好きって気持ちは ずっと心にしまっている。

「よー!お二人さんっ!」
こいつは、海斗。僕と美玖の親友だ。
小4の時にこっちに転校してきて、
そこから 7年間ずっと仲が良い。
あ、美玖とは5歳の頃からずっっと仲が良い。
美玖がめっちゃ話しかけてたんだよなー。

「じゃ!私達あっちだから帰るね!蓮、行こ!」
「じゃーなー!二人ともーッ」
「また明日ー」

(ドキドキドキドキドキドキ…)
止まれ、心臓の音、、
何故か今日はいつもより心臓の音がうるさい。
なんだろう。夕日をバックに美玖が輝いている。
止まらないドキドキ。
いつ漏れてもおかしくない、僕の好きという気持ち。
抑えるんだ…抑えるんだ…
「どしたの~?」
「きゃっ!」
最悪だ。驚きのあまり、声が裏返った。
ちょー恥ずいんだけど…
「も~なんなの笑 驚かないでよ笑笑」
「そっちが急に声をかけてくるからだろっ!」
「ごめんごめん笑笑」
話しかけられて良かった…
このまま自分のドキドキを聞いててもつまんないし。
恥ずいけど。
「いい加減、笑うのやめて…」
「ゔっゔっん ふぅー。…ははは×2 笑笑」
「まったく、やめってってばー」
「だって 頭の上にカエルが乗っているんだもん笑」
ケロケロケロケロ~
「カエルさんに気に入られてるね!」
「っ!もう帰る!」
「”かえる”だけにね笑笑」
「そんなつもりじゃなーーーい!」
あー、好きだなー。
…恥

「ただいまー」
僕は、何故かアルバムを取り出した。
思い出したくなった。
アルバムには美玖と二人の写真がたくさんあった。
途中から海斗も写ってた。
三人とも笑顔で。
これ、僕が海斗のボール、木の上にあげちゃった時じゃん…海斗、ちょー優しかったなぁ~。
「申し訳なさすぎる…ごめんよ海斗…」
未だに反省しているこの出来事。
そんなたくさんの楽しい思い出が記憶とともに蘇る。

トントンッ
「おっはよー!」
「おはよう…美玖」
毎朝、眠い僕を登校中起こしてくれる。
(朝っぱらからドキドキさせんなよ…)

【つづく】

7/17/2022, 11:40:14 AM