11月下旬、窓からみえる空は曇り。
独りの少女が激しく揺れる電車で眠っていた。
少女はフードを深く被り、マスクをしてサングラスも付けている。それでも分かるほど、顔を歪め、マスクの隙間は汗で光っている。
私はその姿に違和感を覚えた。
そして、暫くすると少女が急に目を覚ます。
ゆっくり目を開けると言うよりは、何分も水の中で悶え、やっと解放されたかのような様子で、勢い良く目覚め、荒々しい呼吸を繰り返している。
そして息を完全に整える終わるよりも先に、立ち上がり、電車内を走り始めた。
11/6/2023, 11:23:20 AM