クジラになりたいイルカ

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鏡の中の自分____

2022/11/03 妄想日記


「ホントにクズだね」

そう彼女に言われた。私は少し涙が出そうだったがそれより先に言葉が溢れた。

「そうだよ、私はクズだよ。そんなの知ってる」

両親には迷惑をかけ、親友にまでわがままな気持ちを抱くようになった。昔からクズのまま。

「いや、嘘だね。本当は自分を優しいと思ってるんでしょ」

「ちょっとはそりゃ思うよ。だけど、私の優しさは卑怯なんだ。ただの偽善者なんだ」

周りの人から優しいと言われる。そうすれば仲良くなれるしみんな幸せな気分になる。

「偽善者って言っちゃう自分もまた、優しいと思われるからそう、ワタシにも言ってるんでしょ?いい加減そういうのやめろよ」

「じゃあ、どうすればいいの…?私は誰かに優しくしていないと恩返しをしないといけない。知らず知らず相手を傷つけれるからその分優しくしたらお互い様じゃん」

「だからって自分で自分の首をなんで絞めてんの?優しさは怒りになってその怒りは涙になる気づいてんだよね。本当はかまってもらいたいから優しくして自分を傷つけてるんだよ」

「違うよ。そんなんじゃない。不眠症なのは辛し、夜泣くのももう嫌。また、過呼吸なんてなりなくない。それに、迷惑をかけたくない」

「でも、不眠症なの半分嘘じゃん。わざと寝ないようにして周りから『しょうがない』って思われたいんでしょ?」

違う。ただ、朝が来ちゃうから寝たくないだけなんだ。寝れないだけなんだ。ストレスためて泣くのがちょっとスッキリするだけなんだ。

「キモ」

今日もワタシは私にムカついていた。
全員に怒っていた。
両親、親友、先生、友達、妹、クラスメイト。
全員に怒っていた。


「ごめん」
鏡の前で私はそう呟いた。

「偽善者」
鏡の中でワタシはそう呟いた。

11/3/2022, 2:16:50 PM