お題
『繊細な花』
「ね、まま。そのお花なぁに」
小さい頃から疑問だった。なぜ親の頭の上には花が咲いているのか。あぁ。分からない人に説明するね。花○っぱとかみたいにじゃなくて宙に浮いてる感じね。
色は人それぞれで紫だったり橙だったり、時にはキラキラ輝いている人もいるよ。
幼稚園に上がった私はもっと色々な花を見た。同じ幼稚園児には花はなく、ただ職員には花があった。迎えに来る親もみーんな花があった。
小学生に上がった。もちろん職員は全員花を持っていた。同級生には花がない。けど4年生から上の上級生には花があった。
「ねぇ、ママ。私にもいつかお花つくの?」
「そうねぇ。つくんじゃない?」
曖昧な返しをされた。その花の話は誰からも聞いたことがない。私は興味本位で母の花を触ろうとした。
そっ………。
「やめて…………っ!」
パシッ、!
パリーン…!
「あぁ、ぁ゛あ゛。嫌だッ!あ゛ぁ゛!」
「ママ……?」
一瞬のうちに母は花と共に崩れ消えた。
「ママ?ママ?ママ!?ママ!?どこ!?」
まだ物心ついていない年頃。自分が起こしたことなのに理解ができていない。
「ママ!?どこ!?ママぁ…!」
私は泣いた。泣いた。泣いた。
でも、悲しくなかった。涙は出た。でも悲しくなかった。
泣き疲れたらもう、無感情だった。
ポゥッ…
『システムガキドウサレマス。』
『ハナハトテモセンサイデス。』
『タイセツニ、ソダテマショウ。』
「あは、あはははは。」
6/25/2023, 10:59:04 AM