一期一会を小桜とともに

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今日は付き合って4年目の記念日になる、はずだった。
1週間前に彼は交通事故で帰らぬ人となった。

「ばーか、なんで置いてったんだよ」
「しかも最後の言葉がごめんって」

そんなこと呟いても何も変わらないが。

「おねーさん!」

「?、誰ですかあなた」

ある男性が話しかけてきた。
彼と同じくらいの歳だろうか。

「いいから、ちょっとだけ窓の外見てて!」

私が今いるのは、彼が生前4周年のディナーとして予約しておいてくれたレストランだ。

「外?」

たまたま窓際の席だから他の人を気にする事はないが。

「何があるっていうのよ」
「、、!」

花火が上がった。

L・O・V・E・Y・O・U

1文字ずつ繋げると、、

「Love you、、」

「、、君の彼氏から」
「本当は指輪を渡そうとしてたんだけどね」

「、、、」

窓際の席なのも、そういう事か。

ほんとバカだよ。
私だって、プロポーズされたりしないかなぁなんて、ちょっと期待してたんだから。

直接聞きたかったな。

私も愛してるよ。

彼からの最後の言葉は、、





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『Love you』

2/24/2024, 6:20:02 AM