ぺんぎん

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かかとにかかと、脚に脚、お腹にお腹、腕に腕、からめて頬を寄せあい、ふたりしっとりと眠った。なにもかもこわくなくなった。たとえば暗やみ。たとえばかなしみ。するどい黒と、あらゆるかなしみはいつもわたしを包んだけれど、きみがとんとんと赤子をあやすようにわたしの背中を叩くので、その間、平気でいられた。こっそりと、きみの腕のなかで少しだけ泣いていたら、ぐったりとつかれてしまいいつのまにか朝になっていた。

2/20/2024, 4:31:47 PM