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「失われた長い時間」

中学生は本屋に居ました。

中学生は健常者同様ファッション誌に興味があって、
モデルを始めとする芸能人は、
どんなにきらびやかで
有意義な人生を送っているのだろうと、
中学生は夢を見る様に思っていました。

中学生は
ティーン向けのファッション誌のコーナーに行くと、
オシャレな同年代の子達がコーナーを占領していました。
中学生は困ってしまいました。

「ねぇ?イモがコッチ見てんだけど」
「見た感じ障害者っぽいじゃん。
 ファッション興味あんのかな?」
「笑うんだけどw」

中学生は同年代の子達が自分を見てるのは分かるけど、
何を言ってるかまでは分かりませんでした。

「放っとこうよ。その内どっか行くじゃん」
同年代の子達はコーナーに居座ってしまいました。
「あの!スミマセン…」
中学生は同年代の子達に話しかけました。
「雑誌、取らせて下さい!」
「あのさ~ちゃんと話してくんない?」
「アンタさ、見た感じ障害者っぽいけど、
 お洒落しても顔面偏差値低いから
 オタク向けの雑誌でも見とけば?」
「障害者がお洒落しても、キモいだけだってww」
同年代の子達は中学生を見て、大笑いし始めました。
中学生は泣きながら本屋を出ました。


中学生は家に帰ると、お母さんから物凄く怒られ、
何度も何度も引っ叩かれました。
中学生は自分の部屋に閉じ込められました。

何で真面目にならなきゃいけないの?
障害者はお洒落したらダメなの?
勉強ばっかりは地獄だよ。
普通の子みたいにお友達作って
街とかに遊びに行きたいのに…

中学生は勉強机でただ泣いていました。

10/24/2021, 11:59:40 AM