Nanase

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「黄色って、好き?」
家に遊びに行った時、今流行りの対戦系ゲームをしていると、唐突にベッドに座っていた彼女が唐突にそう問い掛けてきた。そんな事を急に言われても。
俺は不思議に思ったが、彼女のやけに真剣な顔を見て一度ゲームを中断して考える。
黄色かぁ、別に好きでも嫌いでもないけど。出されたポテチをつまみつつ「まぁ好き」と適当な返事をすると、彼女はほっとしたような顔になった。俺は首を傾げたがそれ以上追求する事はなかった。

恋人になってから初めてのクリスマス。映画を見てから少しぶらぶらしつつ、イルミネーションなんか見ちゃったりして。彼女のきらきら輝く目を見るとそれだけで最高のデートになったように思える。
ファミレスで夕食を食べてから、念願のプレゼント交換だ。俺は小一時間悩んで選んだ銀色のネックレスを渡す。頬を赤らめて、「嬉しい」と言う彼女は、それから少し躊躇いつつ俺にプレゼントを手渡してきた。

黄色の、マフラー。

「本当はセーターを作ろうとしてたんだけど…」

流石に時間がなくて作れないらしかった。俺は手編みのマフラーをまじまじと見る。普段使いするにしては派手な黄色の毛糸が所々ほつれている。俺はそれを首元に丁寧に巻きつけた。

「次はセーター作ってよ」
「ふふ、頑張るね」

11/24/2022, 11:51:50 AM