手のひらの宇宙 小説家になりたかった。 才能、努力、他には何だろう。夢を叶えるには、私は何もかも足りなかった。あるいは、初めから何も持っていなかった。 まるで知らない誰かの夢を追いかけるような、そんな日々。本当にやりたかったことから目を背けて、遠ざけて、意味なんて求めるだけ無駄だと言い聞かせた。そうしていつの間にか忘れてしまった。 手のひらの宇宙の広さを。
1/18/2025, 1:38:28 PM