tomato

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「ああー!遅れちゃった!菜々の結婚式…」

閉ざされた教会の前で私は後悔した。
もっと早く起きていたら、電車の遅れには合わなかったのに。

「菜々綺麗だろうな…」

教会の扉の前でどうしようかと思っていたら、
突然、教会の扉が開いた。

「わぁー、香菜ちゃん!」
「菜々綺麗…おめでとう!結婚式遅れてごめんね」
「いいのよ、かなり心配したけど」
「まだ、間に合う?」
「うん、もちろん香菜は特別だし。親友でしょ?」
「菜々、綺麗だよ…」
「ありがとう」

菜々は私の為に少し結婚式を遅らせてくれていた。
私は遅れて席についた。
式が進んでいく。
本当に菜々は幸せそうで、私がキューピットになった二人はこれ以上ないほど輝いていた。

誓いのキス。
誓約。
指輪の交換。
式は厳かだった。

式に遅れてしまった事は私のミスだったけど、あの二人を出逢わせた事は本当に良かったと思った。

皆からの祝福の声に囲まれて、二人は本当に幸せだったんじゃないかな。

後から、結婚式の写真が送られて来た。
そこには美しい菜々のウエディングドレス姿と、旦那様の素敵なタキシード姿があった。

女性は何故、ウエディングドレスを着ると綺麗になるんだろう…そんな事を考えた午後だった。

6/9/2022, 3:13:58 AM