若さゆえの 潔さで
世間知らずの 美しさで
20代の私は 海を渡った
お酒を飲んで 彼を独占して
ただただ離れたくなかったの
安定した仕事を手放すことも
異国の地で ちっともこわくなかったし
むしろ 夜中の埠頭なんかで カッコつけてたの
母が 荷物もひっくり返して
泣いて怒ったわ
こんな下着いらないじゃないって
お土産を渡しても 食べてくれなかったわ
もちろん母の思惑通り
敷かれたレールに戻ってきた私
娘が生まれた今 娘が美しく 日々美しく
なっていくのが 誇らしく 妬ましく
私にもそんな時があったのよって
その時は気がつかないものなのよって
うまくいえなくて 口うるさくなって
美しい しなやか作
1/16/2023, 1:19:01 PM