はんぺん

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『あの頃の私へ』



人の顔色を常に伺う。
自分の意見を押し殺す。
他人に流されて生きる。
等々、〝相手の機嫌が悪くならないように〟を最優先に考えて生きてきた。


友達は私がいじられキャラだからって過度な暴言を吐いても、理不尽に暴力を振るっても、どうせ気にしないだろうって決めつけていたんだと思う。だから私が言うまで気付かない。
いじられキャラも傷付くよ。ひとりの人間なんだから。



暴言や暴力などは〝私だけ〟が受けていた。
そのせいで精神がボロボロになって、病んだこともある。
どれだけ寝ても疲れが取れなくて、朝が来るのが怖かった。ずっと夜を生きていたかった。誰とも関わりたくなかった。死にたかった。
だけど、私だけにしてくるのはきっと、他の人にはない何かがあるからなんだってあの頃の私は本気で思っていた。
その〝何か〟のおかげで私は特別扱いをされているんだって。
私は人と違うことが嬉しかったから。
───馬鹿だよね、ほんとに。ただ見下されてただけなのに。






そんな経験をしてきてしまったからかな。
今の自分は、
人に期待していない。
人に興味を持てない。
人を信用していない。
人を理解することなんて出来ない。
だから私のことも理解しなくていい。
でも否定せず受け入れてほしい。
───こんなに冷たくて我儘な人間になっちゃったよ。



でもね、
人は人、自分は自分。
自分を何一つ否定されたくないから、誰のことも否定しない。
悪口や愚痴、陰口は言うメリットがないから言わない。
って強く思うようになった。
悪口を言わなくなったから、人の悪口を聞きたくなくなったし、それが一番のストレスになることも分かった。



初恋の人に出会って、ある言葉をかけてもらったことで今の私が生まれた。
そこで生まれた私と今の私の表の顔は同じ。
だからなのかな。今の自分の生き方よりも、昔の自分の生き方の方が人間味があって羨ましい、素敵だと思ってしまうのは。








5/24/2024, 12:26:12 PM