NoName

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彼と私は愛しあっていた。
世界一なんて薄いもんじゃない。
ずっと、愛していた。

なのに神は残酷で
私の宝物を奪っていった。
彼があいつの物になるなら私の物のまま終わらせたい。

何回も愛を伝えた。
彼に馬乗りになって私の愛を何回も伝えた。
この手で。
愛していたって、何回も。

そのおかげか、彼は私の気持ちをわかってくれた。
大人しくなった彼を横目に、涙を拭った。



彼がくれたハンカチは、いつの間にか赤くなっていた。




“突然の別れ”

5/20/2024, 7:43:49 AM