「戦わない方法」が分からない。
私はこれまで、ずっと勝負の世界で生きてきた。
コンクール、大会、模試、受験、営業成績……
幼い頃からずっと、「結果」を他と比べられる環境に
身を置いてきた。
そして私は社会人になるまで「大敗」を知らなかった。
何をやってもある程度の結果を残していた。
正直に言えば、いわゆる「一等賞」を何度も経験した。
私は負けず嫌いだ。でも、負けず嫌いになったのは
心のどこかで勝利への自信と自覚のない優越感が
あったからだと思う。
そんな私が「誰がどう見ても負け」を初めて経験
したのが社会人1年目のときだった。
営業成績がてんでダメだったのだ。
ひとつも契約が取れないまま1年目を終えた私に押された
「0件」と「最下位」の烙印。
これまでに経験したことのない劣等感に苛まれた。
初めての大敗と、結果を出せなかったことによる
周りからの叱責、そして大きな劣等感に
心を折って会社を退職し、次の会社に転職した。
いわゆる営業もなければノルマも無い、
チームワークを重視する会社だった。
これまで戦いながら生きてきた人間が急に、
「戦わない働き方」を求められた。
正直困惑している。
「戦わない方法」が分からないのだ。
これまで、無意識の優越感で気持ちよくなりたくて
負けず嫌いだったのかもしれないと、
そのとき初めて気づいた。
「戦わない方法」が分からないのだ。
7/14/2024, 8:14:24 AM