No.1 愛言葉
「青は賢いね〜!いつもテストは100点で〜!お母さん、青のこと大好きよ!」
私は生まれてから″大好き′′という言葉を言われてこなかったかもしれない。
つまりは愛言葉というものをだ。
私が産まれてきて、両親はずっと仕事が忙しかった。
初めての子供が私だから、子育てが大変だったと思うし、イライラしてたのか暴言ばかり。
保育園に迎えに来るのはいつも9時ぐらいで、両親2人とも休みかと思えばいつも2人だけで外出。
私は愛されてなかった。
だけど妹が産まれて来て両親は変わってしまった。
ちょうど忙しくなくなった時期らしく、青という名の妹は両親に愛されて生きる意味があって、明日も生きようって言う気持ちで勉強も頑張って。
妹は優等生。
私は不登校の劣等生。
朝起きられない毎日。
いつも天井見つめてばかり。
正直もう死んでもいいんじゃないのかって。
だって私は愛されていない。
″愛言葉″を言われたことがない、聞く側の毎日。
昨日だって、「お前にいくらかけたと思ってんだ」って親に怒鳴られる。
私の名前は「お前」じゃない。
こんな時ぐらい「桃」って呼んでよ。
・・・。
「ちゃんと立てよwww」
「声聞こえないぞ?www」
「声ちっさwww」
「……。」
嫌な「夢」。
「あいつを捨てた方がいいんじゃないか」
「確かに青を育てるのに精一杯だけれど、大事になるのは嫌だわ。」
「……仕方ない、もうちょっとあいつを育ててやるか」
「……!」
嫌な「現実」。
「桃お姉ちゃん、大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
「……なんで桃お姉ちゃんは学校行かないの?」
「……私はね、朝が弱くて毎日遅刻しちゃってるから、遅くに学校行ってるの」
「そうなの?じゃあたまには一緒に学校行こ!」
「……うん、そうだね」
嫌な「夢」。
ずっとその繰り返し。
「……起きないと」
「桃お姉ちゃん、おはよう!」
「……青?なんでいるの?学校だよ?」
「今日、桃お姉ちゃんと話したくてズル休みしちゃった!」
「……だめだよ、学校行かなきゃ」
「桃お姉ちゃんも、ずっと休んでないで学校行かなきゃだめだよ」
「……? 私青にそんなこと言ってない……」
「桃お姉ちゃん、なんか隠してるでしょ?」
「……え?なんも隠してないよ……?どうしたの……?」
「知ってるよ、桃お姉ちゃんお母さんにお姉ちゃんに嫌われてること……」
「桃お姉ちゃん、愛言葉お母さんから言われてないもん……!」
「……うるさい!」
「……桃お姉ちゃん……?」
「青はお母さんに愛言葉言われたり愛されてるからいいでしょ!!私はいつも死にたかった!」
「桃お姉ちゃん……!」
「私は愛されたいのに……いつも青ばっかり……学校でも虐められるし、先生からはあしらわれるし、親にも嫌われてるし!!」
「桃お姉ちゃん!桃お姉ちゃん……!」
「……青、ごめん」
「桃お姉ちゃん?」
「……愛してるよ、ずっと私の事忘れないでいてね」
「桃お姉ちゃん、待って……!私も好き……!大好き……!」
病名とかあったらこの苦しみも分かってくれたのかな。
……もう願わないか。
もういいや、青に最後の言葉は言ったし。
何も出来なくてごめんなさい。
生きててごめんなさい。
早く寝よう。
どうせすぐには寝付けないけど。
起きれないね。
「……えー、速報です。小学4年生の女の子がビルから自殺をしました。原因は親からの愛情不足、クラスでの虐めが原因により不登校で、精神的な限界から__」
◾︎参考にした曲 るららるら、らるらら
10/26/2023, 11:14:59 AM