風に乗ってあの世界に行ったら君に会えるかな…
僕だけに笑いかけてくれる君に…
自分のことはそっちのけで僕のことばかりを考える君に…
あの日…もし僕と君の位置が逆になっていたら……
僕はあの世界に…
君は両足と片腕を失うだけだったかもしれない……
なぁ……美月……
僕は…もうすぐ君のもとに行くようだよ………
今更だけど…遅くなってごめんね……
僕は……ずっと君にあんな態度とってたけど……
本当に……君を………とても愛していたよ…………
ピピーーーーーーーーーーーーーー
私はこの病院に務めて10年だがこんなに胸を締めつけられるような死に方をした人に初めて会う……
彼女を目の前でなくし自身も両足と片足をなくして……
なのに…そんなものはちっとも悲しくないと言わんばかりに…毎日満遍の笑みを浮かべている……
最初は本当に何も感じていないのか……と思ったがそんなことは勘違いだった……彼の死に顔を見て分かる………
彼は今……とても……とても……幸せそうだ………
彼から流れ落ちるその涙は真珠のようにとても綺麗だった…
4/29/2023, 1:12:23 PM