『人はこれって時にどうしても時間を戻せたらとか言うね』
タイムマシーンにのって/PUNPEE
の一説である。ご多分に洩れず、私も過日に旅立つ妄想をしばしばせずにはいられないわけだが、近頃はその手法が変容しつつある。
元々は、過去に戻る場合、どの地点に降り立ちどのように振る舞うことで現在の悲劇的状況を避けることができるのか、というところに論点があった。
では最近はというと、前提条件が主な実験場となっている。
- 現在の記憶は保持しているのか
- 過去に戻る時点で保持しているとして、そのまま保持し続けることができるのか
- 過去に戻っているのは自分だけなのか
などと思考を巡らせ、それぞれの条件における最適な行動を模索している。
さて、過ぎた日を想うという行為は、どこまで行っても自己満足でしかなく、過去は不変であるという結論もまた不変なのである。それでも過去に旅立ってしまうのは、これが最も簡単で雄弁な自己との対話だからなのだろう。未知の事態の中で発現する醜い自己に向き合ったり、未来を想い暗中模索したりするよりも、古傷を舐める方がやはり楽なのである。
#過ぎた日を想う
10/6/2024, 12:07:26 PM