君が見た夢
「園崎さん、また居眠りしてるんですか?」
「…ん、ああ。」
まだぼんやりしている返事を返すクラスメイト。
2年生の冬、忘れられない思い出を共に体験した真面目な生徒会長「園崎燈右」は最近よく居眠りをしている。
「次は移動教室ですよ。もう皆さん行ってしまいましたよ?」
「うん、わかってる。」
そう言いながら、ようやく彼は次の授業の準備を始めた。
…最近夢見が悪いのだろうか。心配で何があったのか聞いても、君は何も答えてくれなかった。
きっと、私がまだ『春崎美南』であるままだからだろうか。
私は記憶を失った。この名前は、ぼんやりとした記憶の霧の中で見つけただけ。
だから…本当の名前はきっとこれじゃない。確証は無いけれど、うっすらとそんな感じがしている。
だって、君を見ていると心がザワつくから。
君と私は、とても似ているから。
…ねえ、燈右。
君は今、何を見て、何を考えているの?
『クトゥルフ神話-記憶を探し求める『私』の話』
12/17/2025, 7:19:43 AM