ミズイロ

Open App

私のいる高校はいわゆる自称進学校だ。つい最近模試

があった。私はその学校の同じ学年の中では点数が高

い方だった。私より低かった周りの友達は私を褒め

た。その褒めが自分自身を弱い立場に思わせるため

の、女特有のものだということは重々承知であるけど

も。それでも多少の優越感を感じた。アホで醜い優越

感である。全国では下なのに。それと同時に思い浮か

ぶのは同じクラスのある女の子である。その女の子は

顔がかわいくて性格も良くて強かで、体育祭で活躍で

きる運動神経の持ち主でそれでいて誰にでも平等な人

であった。これは結構まじな話。つまりその子は"もっ

ている"人であった。努力だろという人もいると思うけ

ど"もっていない"人からいわせてもらえばその子は間違

いなく主人公であるべき人間。何をやっても物語。や

らなくても物語。そしてその子の私的最重要事項とい

えば成績が私と同じくらいであるということだ。あー

あ悔しい。でも嫉妬すら沸かない。だってその子の言

動には嫌みというものが感じられない。はあ。私の印

象はもの静かで成績が良い。その子の印象は可愛くて

輝いてて実は成績が良い。実はってところが強い。強

すぎる。この強さがカーストをあげる。私だって飄々

としていて実は頭が良いっていう人になりたかった。

でもきっとその子はそんなこと意識していない。それ

も強い。私は何も勝っていない。張り合おうとしてい

る自分がキモいほどに。その子に幸せに生きて欲しい

と思えるほどに。そんなこと思える自分実は性格いい

んかって錯覚せざるを得ないほどに。悪人の心を少し

ろ過してくれる。ひとだんらくして、真の本音を書い

たこの文章を一通り読んで誤字脱字がないか点検し

て、ご丁寧に1行1行行をあけて読みやすくした。我な

がらきもすぎて寒気がする。誰が読むこの文章。
                       完

7/14/2024, 8:56:52 AM