先祖から続いたその種は
川を流れる水をつたい
今ここへと辿り着いた
はじまり
そのはじまりを覚えているか
空を泳ぐ雲と
行き交う人々
朝の熱と夜の静けさ
花たちは愛し合い
君たちと同じ川を流れゆく
私は見た
せわしない生命のはたらき
その音、
濁点と半濁点の混ざる
記号として示すことのできない
そのうごめき
汚いとも美しいとも思えた
幻
その自由なうごめきが
不思議と私の毒を包み、破裂させる
そしてまた新たな毒が芽生えた
この種はここにいる
私はそれを見た
必ず君とここにいた
長く続く川の先が
いつか力なく土になろうとも
石を伝い砂を伝い
生命の水となって
君とみた景色がここに咲きますように
だから今は
この泥の中をくぐる
その先へ、
どうか1人で生きていけますように
不条理
3/18/2023, 2:13:54 PM