「こんな日」
穏やかな2月の少し日が伸びた午後の空
深呼吸してふらっと出かける
目的のないありきたりな時のなかで
ありのまま見渡す景色
人の集まる交差点
影を描く高層ビル
歩道の端に咲いてる花
自転車で横切る学生
裏路地の隙間に忍んでみる
驚いて後ずさる野良猫
ビルの隙間から見える日の光
自然と脚が向かう先には
豆の香りのするカフェ
鈴の音のドアを開き窓際に座る
外を眺めて温かなコーヒーを一口飲んで
冷えた身体に小さな幸せを染み込ませ
なんでもないこんな日を愛おしく想う
空っぽだった始まりに
些細な色を加えながら作られた日
お店を出て仰いだ空は赤に染まり
雲に向かって飛び去る鳥の群れ
川沿いを歩く帰り道
ボールを蹴ってハシャグ子供たちの声
冷たい風を感じながら遠く見渡す
不意に鳴るスマホの音
メールに既読をつけて歩き出す
近くの公園によって暇をつぶして
誰も居ないベンチに座り星を見る
2月の夜の澄んだ空気は綺麗で
胸をしめつける
ありきたりな時のなかで
ありのまま触れたこんな日を
空っぽだった始まりに
些細な色を加えながら
なんでもないこんな日を愛おしく想う
こんな日がずっと続いたらいいと想う
2/13/2024, 8:35:51 AM