目が覚めると、白い部屋にいた。なにかの研究室のようなそれは、見覚えがない。ここはどこだ、と口にしようとしてもそもそも声が出せない。体はやけに重たく、満足に手足を動かすことは不可能だった。金縛り、という単語が脳裏をよぎる。もし金縛りだとすれば、ここは夢の中か。ならばこういう事もあるのだろう、と納得して肩の力を抜こうとした時―――これが夢などではなく、紛れもない現実なのだと気がついた。
7/11/2024, 3:30:29 AM