∗ 星座 ∗
無人島で一人で暮らしたい。小さな島でいいの。
夜空の星に願った。
沢山の星達。お互い交流はあるのかな?
隣の星と喋ったりするのかな。
『僕達って同じ星座らしいね』とか『今日も眩しですね』とか『向かいの惑星に、生命が誕生したらしいよ』『賑やかになるね』『寂しいって、何?』
『私達はテレパシーで繋がっているから、よく分からない』『距離がどんなに離れていても、動かなくても、』『お互いの情報が届く。映像も見れる』『他人と自分の境界が無い』『地球の人間が約一名、さっきから私に何か言ってる』
一つの星が瞬いて、私に言った。
『島は無理だけど、星なら一つあげるよ』
「島は無理なのに、星をくれるんですか?」
『私は星だから、星の事なら、なんとか出来るよ』
「凄い! いいんですか?」
『小さいやつなら。でも、ちゃんと暮らせるよ』
私は人と上手くやっていけないから、
無人島みたいな所で一人で暮らす事を夢見ていた。
別の惑星でも、同じ事なら良いです。
『陸も海もあって、魚が釣れるし、
山もあって果物が採れるよ。地球と環境は似てる。
サバイバル術とか、学習した?』
「あの、全然してないです…」
『何かを願うんなら、もう少し自分で出来る事は
しておかないと、普通は叶わないよ。
でも良いよ。私は甘いから。
スマートフォンを持って行って良いよ。
インターネットさえ有れば、一人でも平気でしょ』
「はい。ありがとうございます」
ネットは繋がるの?
私は、本当は一人になりたいんじゃなくて、
人と上手くやっていける様になりたかったのかもしれないけれど。
『欲しい物があったら、お取り寄せ出来る様にしてあげる。スマホで見た物は何でも。これが欲しいと思ったら、ポチっと触れば無料で届くよ。
人も届くよ。本物じゃなくて、その人のコピーだけどね。魂が入ってないAIだけど、その人そっくりな言動をするよ。それならどう?』
「完璧です! お願いします!!!!」
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─結局、私は行った先の惑星で、注文しまくってしまい、なぜか、いらない物まで取り寄せていた。
気がついたら、地球にいた頃とほぼ同じ状況になっていた。
私は相変わらず一人だった。願いは様々あるけど、本当の望みって何だろう。
10/5/2024, 5:49:04 PM