汚水 藻野

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「ねえ!あんたも!!がんばんなきゃ!!」
主人公
いつだって助けてくれたのは優しさだった。

いつからだろうな。あたしはあの子のねーちゃんで、あの子を守らなきゃと誓ったのは。ひどい怒りん坊でうるさいねーちゃんだったな。

いつからだろうな。疲れちゃったのかな。誰にも触れさせないようにしてたのに、あの子を守ってくれる存在が出来て、安心して、はじめて「助けて」って言ったっけ。

あの時、有名な本に載っていた「秘宝」の暴走を止めるとき、一旦手持ちに戻そうとした。その時さ、あんたは誰を見てたのかな。
まずあたしを見た。次に主人公を見た。怯えて、震えて、心臓が止まりそうで、うるさくて、「これは全部自分がやってしまったことなんだ」とでも思ってそうな顔だった。
バカ。こうなったのはあんたのせいじゃなくてあの光バカのせいでしょ。

「主人公は優しいから、こんな俺でも許してくれた」とか言ったらぶん殴るわよ。
主人公が優しいのは事実よ。何が聞き逃せないってのは「"こんな"俺でも」。
あんたねえ…この学園の王者になって、他校に友達がいて、結果的に捕まえてないけど、伝説を捕まえて…それで「こんな」?明らかに非凡でしょうがよ。

ふざけたこと言ってると手ぇ出るよ。

最後に。
ねーちゃんがあたしでごめん。



「………この紙も、もう大丈夫。」
ぽたり、と誰かの涙がこぼれた。

_2024.1.27.「優しさ」

涙をこぼしたのは姉か弟か。
pkmn。大穴から帰るとき、やっぱりそんだけ心配してたんだなあ、って…。

1/27/2024, 2:36:21 PM