塵芥

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くらい道を

たった一つのランタンを持って 歩いてきました

砂時計の中の鉛に 屍が沈んで

崩れてゆくのを ただ見ていました

あの屍は 私

生成りのまま 立ち枯れてしまった

あの屍は いつかの私

私はまた、くらい道を ランタンひとつで
歩いてゆきます

鉛を飲み込み 立ち枯れの根を切り

屍に愛を手向けた後に

ゆっくり ゆっくり

歩いてゆきます



10/6/2022, 2:22:35 PM