「君と見た虹」
ある時の夢。
もう居ないはずのあなたが
もう住んでいないはずの
家で窓から外を見ている。
家の中であなたの
後ろ姿を見つけ
私は近づいて
あなたが見ているものに
目をやった。
そこにあったもの。
それは形容し難い虹だった。
虹と理解するまでに
時間が掛かった。
私は驚いて思わず外に出た。
いわゆる一般的な形ではなく
曲線の幾何学模様というか
何本あるかわからないくらい
大きく大空に浮かんでいる。
鮮やかな色がなければ虹だとは
思わないだろう。
薄雲なのに。
遠くにあるはずなのに
近くにあるようだった。
虹の概念を変えるような
想像も出来なかった
初めて見たものに
少しの恐怖と美しさに
声も出ず息をのんだまま
ただ見ている事しか
出来なかった。
私は目を覚まし思った。
あなたが
私に見せたかったもの。
一緒に見たかったのかも
しれないと勝手に思っている。
あなたが居なくなって
初めて一緒に見た虹。
2/22/2025, 1:44:00 PM